鍛える順番間違えてない? (2026/04/28)


RONDOでは身体の使い方を整えるトレーニングを大切にしています。

身体を効率よく安全に鍛えるには、順番が大切です。鍛える順番を無視して筋力だけをつけようとすると、誤った動きのパターンが強化され、怪我や慢性的な不調につながることがあります。その順番について整理します。

まず動かし方
安定、そして鍛える

運動学の基本原則のひとつにモビリティ→スタビリティ→ストレングスという順番があります。多くの人はいきなりストレングス(いわゆる筋力UP)を目指しますが、その前に必要なステップがあります。

1
モビリティ——動けるようにする

関節が本来の可動域を持っていること。硬くなった筋膜・筋肉・関節包をほぐし、動きの制限を取り除く。

2
スタビリティ——動きを支える安定性をつくる

可動域が確保できたら、次はその動きを支えるコントロール能力を養う。体幹・股関節まわりのインナーマッスルが協調して働くことで、動きの土台ができる。

3
ストレングス——整った土台の上に筋力をのせる

モビリティとスタビリティが整ったうえで、初めて筋力トレーニングが最大限に機能する。正しい動作パターンで負荷をかけることで、筋肉が正確に育ち、パフォーマンスが上がりやすくなる。

ジャイロトニック®︎は負荷を大きくしすぎずトレーニングをするので、モビリティとスタビリティの向上に役立ちます。

中心から末端へ——体幹が先、四肢は後

もうひとつの重要な原則が近位→遠位です。身体の中心(体幹)が安定していることが、末端の身体の末端の力の効率的な発揮につながるという考え方です。

近位
さまざまな動きの起点である体幹・骨盤。ここが安定していないと、腕や脚をどれだけ鍛えても力が逃げる。インナーマッスル(腹横筋・骨盤底筋・横隔膜)の協調が鍵。
中間
体幹と四肢をつなぐ股関節・肩。可動性と安定性の両方が必要。ここの機能が低下すると、体幹の力が腕・脚に伝わらなくなる。
遠位
腕や脚だけを鍛えることは、土台のない建物に壁を足すようなもの。近位を整えながら協調させることで効率的に動かせる。

体幹の安定は、呼吸からつくられる

体幹の安定性をつくるうえで、大切な要素が呼吸です。呼吸は自律神経を整えるだけでなく、身体の安定性をつくるために直接機能しています。

息を吸うとき、横隔膜が下降します。このとき腹腔内の圧力(腹圧)が高まります。息を吐くときは、お腹の奥の筋肉が協調して収縮し、体幹をさらに締め上げて安定させます。腹横筋・骨盤底筋・横隔膜・多裂筋—これらは呼吸と連動して働くことで、身体の中心を安定させています。これが脊柱を内側から支えるコルセットのような役割を果たします。

呼吸が浅い・横隔膜が動いていない状態では、どれだけ体幹トレーニングをしてもインナーマッスルが十分に機能しません。プランクをやっているのに体幹が安定しないという方の多くは、呼吸のパターンに課題があることがあります。

横隔膜
呼吸の主役。吸気で下降し腹圧を高める。横隔膜の動きが浅いと腹圧が不十分になり、体幹の安定性が低下する。
腹横筋
腹部を360度包むインナーマッスル。呼気とともに収縮し、脊柱を側方から締める。アウターマッスルより先に働くことが理想。
骨盤底筋
骨盤の底を支える筋群。横隔膜と連動して腹圧を下から支える。ここが機能しないと腹圧が抜けやすくなる。

緩めて、目覚めさせて、動きの中で統合

3つ目の原則は抑制→活性化→統合です。これは特に、長年のクセや代償動作がある身体に対して有効なアプローチです。

1
抑制——過緊張している部位を緩める

使いすぎて硬くなった筋肉・筋膜は、相反する筋肉の動きを抑制している。まずここを緩めることで、眠っている筋肉への神経信号が届きやすくなる。緩めずに鍛えると、緊張がさらに強化される。

2
活性化——眠っている筋肉を目覚めさせる

緩めた後に、使われていなかった筋肉を意識的に動かす。最初はそこを使っている感覚がわからないことも多い。繰り返すことで神経回路が再構築され、脳がその筋肉を呼べるようになる。

3
統合——実際の動きの中で使えるようにする

単独で動かせるようになった筋肉を、全身の動きの中で機能させる。ここで初めて身体が変わったと実感できる段階になる。日常動作やスポーツへの応用もこのステップで起きる。

順番を間違えると、何が起きる?

これらの原則を無視しておこる、よくあるパターンをいくつか挙げます。

よくある順番の間違いとその結果
  • 可動域がないまま筋力トレーニング → 制限のある範囲で筋肉が強化され、動きが制限される
  • 体幹が不安定なまま四肢を鍛える → 腰・膝・肩などへの代償負荷が増える
  • 呼吸が浅いまま鍛える → アウターに偏った使い方をしてしまう

身体の使い方を整えることを、日常につなげる

RONDOが大切にしているのは、身体の使い方を整えることを軸に、その変化を日常の動きにまで応用していくことです。レッスンで得た感覚が、歩く・持ち上げる・座るといった日常の場面でも自然に機能するようになること。それから派生してさまざまな動きに応用すること。

動きのポイントは筋力トレーニングをしている方にも参考になります。重量を上げるような動きの前に”筋肉をどう使っているか” “体幹が先に安定しているか” “呼吸は連動しているか” を意識することで、トレーニングの質が変わります。

RONDOでは、ジャイロトニック®︎を中心に、その方の身体の状態や目的に合わせてさまざまなメソッドを組み合わせながら進めていきます。モビリティを引き出す動き、呼吸とともにインナーを目覚めさせるアプローチ、全身の連動を統合するエクササイズ—これらを一人ひとりに合わせたペースで構成しています。